いじめ報復暴行事件(1994年/福岡県)
中学校2年生の男子生徒Aは、同級生の男子生徒BとCから、
暴行、物品の破壊、恐喝、万引きの強要などの悪質ないじめを
繰り返し受けていた。
Aの父親は、加害生徒本人やその親たちと再三に渡って話し合い、
いじめをやめるよう訴え続けた。
これによって表面的にはいじめが収まったかのように見えたが、
その後、修学旅行に参加しなかった加害生徒の1人がAに対して
土産を買ってくるよう強要していた事実が発覚。
「いじめはまだ続いていたのか…性懲りも無くあの糞ガキどもが!」
愕然とすると同時に、とうとうブチ切れたAの父親は、BとCを
自宅に呼び出し、手足を針金で縛って監禁。
包丁を突きつけたり、包丁の柄の部分で頭を殴りながら徹底的に
脅しつけた。
その結果、Aの父親は監禁と傷害の容疑で逮捕されたが、
「事件は起訴猶予とするには悪質と判断したが、汲むべき事情があるので
正式裁判は見送る」とされ、傷害容疑で宗像簡裁に略式起訴。
罰金50万円の略式命令だけで済み、勤めていた会社も首にならなかった。
たった50万円でわが子を救えれば安いものだろう。
警察も「刃物を使っていなければ逮捕すらしなかった」と語った。
地元の教育委員会にもAの父親に対する同情・擁護の声が多数寄せられた。
Aは当初、父親が逮捕されたことに相当ショックを受けていたようだが、
やがて、父親が身体を張って自分を守ってくれたことへの感謝の念が強まり、
それまで2階の自室に閉じこもりがちだったのをやめ、徐々に1階の居間や
台所に降りてきて家族と会話するようになった。
ほどなくして、いじめが始まる前の一家の団欒が戻ってきたという。
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