最近は夕食を軽めにして朝食や昼食をしっかり食べる人が増えている。
夜は昼間ほど体を動かさないので、夕食で沢山食べるとカロリーが消費されず、太る原因になるということだろう。
確かに、エネルギー消費量は夜よりも昼のほうが多い。
しかし、蛋白質の有効活用を考えた場合には、こうした食生活は好ましくない。
蛋白質は、夜寝ている間に多く使われるからである。
人間の成長ホルモンは、睡眠中に出る。
そういう意味で、「寝る子は育つ」という言葉は真理を衝(つ)いている。
この成長ホルモンは、子供だけでなく大人にも出る。子供の場合は文字通り体を成長させる為に使われるが、
大人の場合は、傷んだ組織を修復する為に使われる。どちらの場合も当然、材料として蛋白質が必要になる。
夕食で十分に蛋白質を摂っていないと、成長や修復といった作業がはかどらない。
昔から人間は、夜に御馳走を食べる習慣を続けてきたが、これは栄養学的に見ても合理的な選択だったのである。
従って、もしカロリーコントロールの為に夕食を軽くするとしても、蛋白質の質と量は落とすべきではない。
カロリーと一緒に蛋白質までカットしてしまったのでは、自ら病気を招いているようなものである。
ずいぶん前から、日本は「飽食の時代」に入ったと言われているが、摂り過ぎているのはカロリーだけである。
蛋白質のほうはむしろ不足しているということを、肝に銘じてもらいたい。
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