輪廻とは、魂というものを想定して、それが肉体を離れてもなぜか存在し、他の肉体に生まれ変わるという思想です。
脳というハードウェア無しで、どのように記憶が保持されるのか不思議ですが、前世の記憶が保持されると考えたりします。
それだけでしたら、何も問題ありませんが、輪廻転生は容易に差別思想へとつながります。
なぜ輪廻するのか、と言えば、「魂を磨くため」と考えられ(魂を磨くという定義は不明ですが、ここでは議論しません)、磨かれた魂の序列ができます。
よく磨いた人は素晴らしく、よく磨けていない人は素晴らしくないということになります。ポイント制度のようなものです。
コツコツとポイントを貯めた人は、ポイントがたまり、そうでない人はたまっていないというだけのことです。ここまでも問題ありません。
ところが、このポイントが今の人生だけではなく、来世へ持ち越せるのです。もしくは前世から持ち越しているとしたら?
生まれながらに、ポイントカードのポイント数に差が生じます。これを生まれながらの差別と言います。その結果がカースト制度です。
カースト制度が善であると考える人は、今の文明社会では少ないでしょう。奴隷制が正しいというのと同じです。差別が善であるということですから。
しかし輪廻転生を数歩すすめれば、差別思想につながります。
スピリチュアルでは平気で魂の階層化などと言います。ソフトな語り口ですが、はっきりとした差別思想です。
何を信じるかはもちろん自由ですが、差別を肯定する論理に対してまで社会が寛容である必要があるかは疑問です。
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