060 2015/09/20(日) 11:38:19 ID:NrcqTjPA.I 吨
がん細胞には脂質(の代謝物であるケトン体)をエネルギーとして利用する酵素が欠損しているため
ブドウ糖しかエネルギーにできないが、赤血球を除く正常細胞は、摂取する糖質がゼロになっても
ケトン体を使って活動できる(赤血球のためのブドウ糖は肝臓の糖新生でまかなえる)。
つまり、がん細胞は糖をドカ食いするだけではなく、糖に完全に依存している。
加えて、がん細胞はミトコンドリアが衰弱していてATPを作れないために解糖系(乳酸系)でATPを作って生き延びようとするが、
これは非常に効率が悪く、大量の糖が必要な上に、代謝廃棄物である乳酸も大量に生み出す。
そして、乳酸によって引き起こされる酸性環境は、細胞にとって毒である。
しかし、がん細胞は乳酸を大量に周囲に撒き散らすものの、自分自身は酸性環境に適応しているため、悠々と生きられる。
すると、周りの正常細胞は弱っていくのに、ガン細胞だけは成長できるという環境が出来上がってしまう。
その結果、がん細胞の浸潤が容易になり、転移につながる。
もしかしたら糖を枯渇させれば、がん細胞は大量の乳酸を作り出せなくなり、周囲の細胞を弱らせることもできず、
転移を少なからず抑制できるかもしれない。
もちろん乳酸自体はグルタミンの代謝経路からも生成される可能性があるので、乳酸の生成を完全に抑えることはできないだろう。
しかし、糖を無くしてしまえば、がん細胞の活動を抑えられる上に、乳酸の生成量も圧倒的に少なくなるはずだ。
その結果、転移を有意に抑制できるかもしれない。
仮説ではあるが、やってみる価値は十分あると思う。
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