年初の忙しさでバタバタしながら仕事を終えて、今日くらいは早く帰ろうと思って
いつもよりも早く会社を出てさ。新年早々もう仕事やだなって思いながら。
で、さっき帰りの電車を降りてホームから改札に向かうエレベーターに乗ったんだわ。
いつもはエスカレーターなんだけどちょうど来たから飛び乗った。
で乗ってたら後から50代くらいの夫婦がのんびり乗ってきたんだわ。そのエレベーターに。
見た感じ汚らしい夫婦で同じ作業着を中に来てるのが上から着てる安っぽいコートからも
わかってね。顔なんか黒っぽくて二人とも歯がないのがわかるの。その上なんか匂う。
後から乗ってきた若いOLはちらっとその二人を見て露骨に嫌な表情をしてた。
そしてエレベーターがゆっくり動き出したらその夫婦が小さい声で話し出した。
まずおじいさんのほうが「お母さん、なんか今日は忙しかったね。疲れたろ?」っておばあさんにいうわけさ。
そうしたら今度はおばあさんが「そうですね。忙しかったですね。お父さん」
「でもちょっと早く帰れましたね」って言ってるの。
ちらっと見たら二人ともニコニコしててさ。
「こんなに早く帰れるのは久しぶりだから、たまには今夜ビールでも飲みましょうか?お母さん」
「いいですね、お父さん。なんかちょっとうれしいですよ」
って話してるわけさ。
二人は同じどこかの現場で夫婦そろって働いてるのかな・・って考えたりして
なんとなく二人の会話を聞いていたら心があったまる気がしたんだ。
別にどうってことない言葉のやりとりだけど、なんかいいなって。
そういえば最近一方的に「年度末の月初で正月明けなんだから忙しいんだよ!」くらいのこと
しか嫁さんにいってなかったな。嫁さんが何か言おうとすると
「忙しいんだから」で会話を遮っていたな・・って思って、ちょっと悪かったなって
気持ちになってしまった。
ほんのちょっと。
帰りにコンビニで嫁さんの好きなちょっと値段の高いアイスクリームでも勝ってってやろうかな
って思って2個買って帰ってきたよ。
帰ってきて家族が喜んでる顔見るって一番疲れがとれるんだなってしみじみ実感したなあ。
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