その頃ある工場で働いてて、そこに新しく女性が入社してきたんだけど
そのひと(Kさん)は性格が根から男っぽくて、金のネックレスを襟元から覗かせたりなんかして
仕事はというと、ずば抜けて呑み込みが早く一日で周りに馴染んで打ち解けてた
俺は他人と関わるのが苦手な性格なんで、だいたい昼飯はいつも食堂の隅で一人テレビ見ながら
ニヤニヤしたりだった
そこへそのKさんが「隣で食べてもいいか?」と話しかけてきた
断る理由もないからそのままでいたら、毎日そのポジションなもんだからいつの間にか
ふつうに喋るようになってていろんな話で盛り上がった
驚いたのは、その知識の豊富さと頭のキレの速さだった
今までに逢ったことがない種の人間というのは明らかで、どこか別の星から来たような感じとでもいうのかな?
サブカルに傾倒かと思いきや政治や経済にも精通してて、とにかく引き出しが多く仕事が出来るのは十分納得できた
ところが、ある人(営業課)の送別会でかなり飲んだときに最後カラオケで閉めようということになって
殆ど参加者まだ残ってたんだけど、カラオケに着くなりKさんが初っ端からマイク握って
『ボヘミアン』のタイトルが出るなり「これはカーセックスの歌です!」と前説で
「デロリア〜〜ン!(たぶんバック・トゥ・ザ・フューチャー?)
破れかけのパンスト投げて〜、今宵も〜、あなたのプレイ占ってみる〜!」
とか、その次はキューティーハニーで
「おねがウィ〜おねがウィ〜!歯をたてないウェ〜〜!私のオマンPに竿突きたてれば〜!
(後ろ向きでお尻突き出し逆さピースであそこを押し広げるようなポーズ)」
の連続で、俺はもうどうしていいやら訳が分からなくてw
とにかく周りと一緒になって盛り上がってたけど、年配の女性社員はおもっきし引いてて‥
そんなKさんが二週間も経たないうちに会社を解雇され、俺はまた一人きりの食堂に戻ってしまった訳だが
上司に訊いた話では「社内の風紀を過分に逸する」というものだった
なんか世の中うまくいかないもんだなぁと、その時はつくづく滲みたよ
メルアドくらいは交換しておくべきだったかな?
Kさんが男で、俺が女に生まれたほうがうまくいってたのかも?なんて今でも耽ったりすることがある
どうしてるかなぁKさん
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