カマ野郎

男に生まれたんだから男らしくしなくちゃ。
ネコのぬいぐるみをいつも抱っこして、
ズボン嫌い。スカートはきたい。おちんちんいらない。
そんなことばかり言ってメソメソ泣いてちゃだめなんだ。
近所の女の子とままごとしてるのを男の子たちに冷やかされたりして、
“普通の男の子”とのズレを幼いながらも認識して
何らかの危機感を覚えたんだろう。
思春期には普通に性の興味を女の子に対して覚えた。
なのに困ったことに本当に体にしか興味が持てなかった。
心が惹かれるのは…
絶対認めたくない！そんな気持ち悪い俺なんかいないんだ！
女の子のカラダへの興味はどうやら、
半分は本能の“やりたい”であり、もう半分は“なりたい”であり…
嫌だ！俺は絶対男であって女になって男に好かれたいなんて
思うわけがないんだ！女装はただの倒錯自慰でしかない！
本当の自分？なにそれ？
“女に戻りたい？”ワケワカンネこと言ってんじゃねえぞこのカマ野郎が。
あなたはそうやってずっとわたしを否定し続けてきた。本当の自分はわたしなのに！
うるせーキモいキモいキモいキモい失せろ失せろ失せろ失せろ…
じゃ、せめて歌わせて！わたし歌いたいの！他はもういいから歌わせて！
それだけ叶えてほしいの…
クソっ！クソっ！クソっ！なんなんだよこれ…畜生…


俺、一回精神病院行ったほうがいいかな…

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